NASAのチャンドラX線観測衛星などが、ト音記号に似た巨大な電波構造「Treble Clef」を観測した。構造は、きりん座の方向にある銀河団VLSS J0318.9+5755に位置し、地球から約15億5000万光年離れている。NASAが公開した観測画像の範囲は約600万光年に及び、周囲には数百万度の高温ガスが広がる。
観測にはチャンドラとeROSITAのX線データ、LOFARの電波データ、UKIRTの赤外線データが組み合わせられた。研究チームは、まず銀河団内の超大質量ブラックホールが噴出流によって荷電粒子と磁場を放出し、その後に銀河団同士の衝突が構造を圧縮して再び明るくした可能性を示している。
このモデルが正しければ、Treble Clefはブラックホール活動と銀河団衝突が段階的に生み出した、過去の宇宙現象の記録といえる。ただし、形成過程の詳細は今後の観測と分析で検証される必要がある。