太陽系外で初めての「月」に近い天体の候補について、天文学者が証拠を報告した。対象は、褐色矮星CD-35 2722 Bの周囲を回る惑星質量の天体だ。観測には欧州南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡VLTが使われ、2023年10月から2026年2月まで、天体の動きが調べられた。
ただし、この天体を正式に「太陽系外衛星」と呼べるかどうかは、単純ではない。一般に衛星は惑星などを周回する天体と考えられるが、今回の母天体は恒星になりきれなかった褐色矮星である。そのため、惑星質量天体の存在を示す有力な証拠が得られても、名称や分類をめぐる議論が残る。
今回の成果は、太陽系外の天体がどのように生まれ、何を基準に分類すべきかを考える材料になる。観測結果の検証が進めば、将来は「衛星」という言葉の定義そのものが見直される可能性もある。