オーストラリアとニューギニアの博物館に保管されていた標本を約10年にわたって調べた結果、短鼻バンディクート属にこれまで認識されていなかった2種が確認された。研究チームは、標本のDNA分析と頭骨の計測を組み合わせ、ニューギニア産の種の分類を再評価するとともに、クエンダの過去の分布も見直した。
なかでも注目されるのは、南オーストラリアの「リトル・ブラウン・バンディクート」だ。この動物は約100年前に絶滅したとみられているが、今回の研究によって、絶滅後に独立した種として認められることになった。生きた個体を調査できなくても、博物館の標本が遺伝的・形態的な特徴を記録していたため、見過ごされていた生物多様性が明らかになった形だ。
今回の成果は、収蔵庫に眠る歴史資料が、分類学だけでなく過去の生息域や絶滅の経緯を解明する手がかりになることを示している。