ブラジルの大西洋岸森林で、1979〜1982年に起きたカエルの急減少。その原因は長く分かっていなかったが、過去の標本を調べることで、当時は知られていなかったツボカビ症の影響が浮かび上がった。
研究チームは、博物館に保存されていた17種、370体を超えるカエルの標本を分析した。その結果、1980年代に採集された標本の半数以上から、ツボカビ症を引き起こす病原体が検出された。生きた個体を直接調べられない過去の出来事でも、標本に残る病原体の痕跡が流行の時期を探る手がかりになることを示している。
この発見は、ツボカビが当時の大量減少に関与したことを強く示す。ただし、地域で起きたすべての両生類減少を、この病原体だけで説明できると確定したわけではない。環境変化など、ほかの要因が重なった可能性も残されている。
一方、感染が現在も続いているとみられる中、多くの生き残った種では病気への耐性が高まった可能性がある。博物館標本の再調査は、過去の生物多様性の危機を解明するだけでなく、今後の両生類保全策を考えるうえでも重要な情報を提供しそうだ。